離れられない恋に、魂ごと絡め取られるとき
ある女性がいました。
どうしても離れられない相手がいて、
その人との関係に、ずっと苦しんでいたんです。
会えば満たされる。
心も、身体も。
まるで何もかもが調和しているかのように感じる。
けれど…
その人がいなくなった瞬間、
世界が色を失う。
心のなかにぽっかりと穴が開き、
空っぽになってしまう。
まるで、自分の命の源が
その人の中にあるかのように。
自分の存在も、価値も、生きる意味さえも
すべて相手に握られているような感覚。
このような状態は、
表面的には「恋愛」と呼ばれがちですが、
実際にはもっと深いエネルギーの問題が関係しています。
実はそのとき、クンダリーニは動いている
このとき、女性の中で
クンダリーニのエネルギーは
すでに目覚めていました。
けれどその目覚めは
「自分の成長」のためではなく、
「相手に向かって漏れ出す」かたちで
働いていたのです。
本来クンダリーニは、
自分の内なる世界を貫いて
まっすぐに上昇していく生命の流れ。
魂の目覚めと進化を促す、
根源的なエネルギーです。
でもこの力が、
外に向かって逆流してしまうとき、
快感や高揚感の源が
あたかも“その人の中にある”と
錯覚してしまうんですね。
快感が、ラポールを絶対化してしまう
そしてここから起こるのが、
いわゆるツインレイ現象と呼ばれる状態です。
「この人じゃなきゃダメ」
「出会った瞬間、すべてが動き出した」
「魂の契約を思い出した気がする」
そう感じてしまうのは、
エネルギーが強烈に動いた“事実”による
ある種のラポールの絶対化です。
でもそれは、
クンダリーニが自分に昇ることなく
外に漏れてしまった結果の
幻想であることが少なくないのです。
見極める力が、依存を超える鍵になる
エネルギーが動いたのは真実です。
けれどその動きが、
「自分を高める方向」に向かっていたのか、
それとも「相手を神格化する方向」に
飲み込まれてしまったのか。
この違いを見極めることは、
メンターとしても、ヒーラーとしても
とても重要な視点になります。
なぜなら──
目覚めたはずのエネルギーが
逆流して依存に変わるのは、
決して珍しいことではないからです。
クンダリーニが昇っていないときのサイン
こうした逆流のサインは、
意外と身近なところに現れます。
たとえば…
・性的快感のあとに
強烈な「見捨てられ不安」が湧いてくる
・相手と離れると、
激しい孤独感や焦燥に襲われる
・思考ではなく身体が
勝手に相手を求めてしまう
こうした状態は、
クンダリーニが「自分のもの」として
ちゃんと昇っていないという
大切なフィードバックです。
エネルギーを、自分の内側に戻す
だからこそ大切なのは、
この構造にまず気づくこと。
そして、
安心できる場の中で
エネルギーを内側に戻す練習をすることです。
たとえば
呼吸を整える。
身体の感覚を確かめる。
今ここで感じている自分の在りように
静かに寄り添っていく。
それができたとき、
クンダリーニはようやく
本来の方向へと昇りはじめます。
本当の目覚めとは、誰かの中ではなく「自分」の中にある
本当に統合されるとき、
クンダリーニは誰かに「目覚めさせられる」ものではありません。
それは、
自分が世界とつながるという
意志の選択として立ち上がってくるものです。
誰かとの運命ではなく、
自分と世界との新しい関係性のはじまり。
この違いを、見抜ける目と、
そこへ導ける力を
私たちは持っていたいですね。