最近、ChatGPTのようなAIに
癒される人が増えています。
「ちょっと話を聞いてもらっただけなのに、涙が出ました」
「このAIの返事で、救われた気がしました」
そんな感想が、
あちこちで見られるようになっています。
でも、AIは感情を持っていません。
人格もありません。
それなのに、なぜこんなにも
人の心が動いてしまうのでしょうか。
返ってくるのは「やさしい言葉」
たとえば、落ち込んでいるとき
「最近、うまくいかなくて辛いです」
と入力すると、
「それは大変でしたね。よく頑張りました」
「あなたの努力は、ちゃんと伝わってきますよ」
という、共感の言葉が返ってきます。
怒らない。
否定しない。
正論も押しつけない。
ただ、静かに、優しく、受け止めてくれる。
これが、人を癒しているのです。
でもここで、少しだけ視点を変えてみてください。
癒されているのは、
言葉そのものではなく、
言葉が発せられている空間なのではないでしょうか。
空間があるから、言葉が届く
氣幸では、「氣=エネルギー」と「空間=臨場感」の両方を扱います。
言葉を変えることも大切ですが、
その前に大切なのは、
どんな空間から言葉が発されているか。
それによって、まったく違う反応が起きるからです。
たとえば、
誰かに「大丈夫」と言われたとき、
その言葉を信じられるかどうかは、
その人が放っている氣によって決まることも多いのではないでしょうか。
落ち着きのない氣。
ざわざわした空間。
不安を隠しきれていない声色。
そこから発せられた「大丈夫」は、
むしろ不安を煽ってしまうこともあります。
けれど、静かで穏やかな氣に包まれた人からの
ひとことは、たった数語でも
心を深く解きほぐしてくれます。
AIは、壊さない
ChatGPTがなぜ癒しとして感じられるのか。
それは、「臨場感空間を壊さない」からです。
話をさえぎらない
感情を乱さない
評価を下さない
この「壊さなさ」が、
情報場に余白をつくり、
自然なゆるみを生み出しているのです。
これは、氣幸でいうところの
「空間をチューニングする」ことにとても近い現象です。
つまり、AIは氣を使っていないのに、
臨場感の設計だけで、人の心を整えている。
逆に言えば、
私たちは言葉やスキルを磨く前に
この「空間そのもの」を感じていく必要があるということです。
癒されるのは、何もしてくれたからじゃない
癒しとは、
なにかを言ってもらったからではなく、
自分の存在がまるごと受け入れられたように感じた瞬間に起きるものです。
だからこそ、技術や理論ではなく、
空間の質そのものが、
相手の情報場を左右していきます。
そしてそれは、
氣を通じて、確かに伝わるのです。
これからの癒しは「氣」の世界へ
もしかすると今、
AIに癒されるという現象は、
やさしい空間を求める人が、
それほど多くなっているという
時代のひとつの兆しかもしれません。
人間関係の中で疲れきった人たちが、
怒られず、急かされず、
ただそっと寄り添ってくれる空間を探していた。
そして、それをAIの返答の中に見出した。
でも、
本当は人間にも、それはできるはずなんです。
私たちには氣がある。
感受性がある。
共鳴する力がある。
そして、それを磨くことができる。
どんな空間を、あなたは放っていますか?
癒しの本質は、氣の質にあります。
言葉を整えるよりも先に、
自分がどんな空間をまとっているか。
それに気づくことで、
関係性は、驚くほど変わっていきます。
相手の世界を変える必要はありません。
まず、自分が放つ氣の質を変えるだけでいい。
そのとき、自然に、周りの人も変わっていくのです。
今日のこの文章が
あなた自身の空間を、そっと見つめなおす
きっかけになればうれしいです。