私たちが口にする食べ物は、
ただ栄養を補給するためのものではありません。

それは、身体の組成を変え、
思考の速度を変え、
日々の臨床(セッション)における
反応の質までも左右します。

特に氣幸やヒーリングを扱う私たちにとって、
身体は情報空間との接点であり、
「何を食べてきたか」は
「どんな空間に生きてきたか」に等しいものです。

米からパンへ情報の切り替えとしての食

戦後、日本の主食は大きく変わりました。

1954年にアメリカで制定された
PL480法(農産物貿易発展援助法)により、
日本には大量のアメリカ産小麦が流入。

学校給食のパンをはじめとした小麦食品が普及し、
食卓の中心は、次第に米から小麦へと移っていきました。

これは、単なる食品の変化ではありません。
“主食”とは、その社会の時間感覚や身体感覚をつくる情報の中核です。

米がもつエネルギーの安定性、持続性、リズムの遅さ。
小麦がもつ即効性、加工性、咀嚼時間の短縮。
この切り替えは、国民全体の「感覚の土台」を入れ替えるものだったと言えます。

小麦食品と身体構造への影響

現在のクライアントの中には、
原因不明の不調、だるさ、思考の曇り、
あるいはヒーリングの反応が弱いという悩みを抱える人もいます。

その背景には、
食の構造的な変化が関与している場合があります。

具体的に挙げられる小麦の特徴として、以下の点があります:

  • 血糖値の急上昇:白米よりも高いGI値を持ち、食後のインスリン分泌が過剰になりやすい
  • グルテンによる腸粘膜刺激:腸内環境の悪化、栄養吸収の効率低下
  • 咀嚼の減少:咀嚼によるセロトニン分泌やリラックス効果が薄れる
  • 高加工性:添加物とセットで摂取されやすく、体内の情報ノイズを増加させる

つまり、小麦中心の食生活は、
身体の処理系に負荷をかけ、
情報の取り扱い精度(=臨床効果)を低下させる可能性があるのです。

臨床における「食のヒアリング」

氣幸師やヒーラーが、
セッションの中で身体の反応に違和感を感じたとき、
次のような問いを取り入れてみてください:

  • 朝食は何を食べていますか?
  • 最近よく食べているものは何ですか?
  • 小麦や乳製品はどのくらいの頻度で摂取していますか?

この質問は、
ただの生活習慣の確認ではありません。

「情報空間の質を左右する要因」を読み解く手がかりです。

実際、クライアントに朝食の内容を見直してもらっただけで
身体の力が入りやすくなり、
氣幸のワークが明確に反応し出すケースは多くあります。

主食の違いがもたらす「身体の言語化」

米を中心にした食生活では、
エネルギーが下腹部にたまりやすくなり、
呼吸も深く、丹田に意識が置きやすくなります。

一方で、小麦が中心になると、
エネルギーが上部に偏り、
呼吸が浅くなり、言葉が早口になったり、
感情的な起伏が表に出やすくなる傾向があります。

これは、共感覚や情報の翻訳精度にも影響します。

つまり、主食を変えるだけで
「言語の持つ質」そのものが変わってしまうのです。

情報空間を扱うなら、まず食から

食の選択は、
単なる嗜好や健康志向ではなく、
「どのような情報空間で生きたいか」の選択でもあります。

米を食べることは、
かつての日本人が培ってきたリズムと記憶に
身体を同期させることでもあるのです。

臨床における変化の起点を、
内面の変容だけでなく、
食の構造という土台から読み解くこと

それが、情報空間を扱う私たちにとって
必要なリテラシーの一つではないでしょうか。


構造を扱う者は、構造から崩れていることを見抜かなければならない。

その第一歩が、
「何を食べているか」の観察から始まるのかもしれません。