あなたが今、目の前に見ている世界。それは、本当に誰もが同じように見ている世界なのでしょうか。
同じ言葉を聞いても、励まされたと感じる人がいる一方で、責められたと感じる人もいます。私たちは同じ物理空間にいると思っていますが、体験している世界は同じとは限りません。
私が氣幸の講義で伝えているのは「一人一宇宙」という考え方です。この概念を理解すると、情報空間の書き換えが、なぜ「場の移動」なのかが見えてきます。
私たちは同じ世界を見ているのか

例えば、あなたと友人が同じ映画を見たとします。あなたは主人公に感動したのに、友人は共感できなかったかもしれません。映像は同じでも、受け取った意味が異なります。
認知科学では、知覚は外からの情報を機械的に写し取るだけではなく、過去の経験や予測の影響を受けると考えられています。暗がりでロープをヘビと見間違えるのも、その一例です。
ただし、ここからお話しする一人一宇宙は、その科学的知見と同一のものではありません。氣幸で扱う情報空間の理論です。
一人一宇宙とは何か
一人一宇宙とは、一人ひとりがそれぞれの宇宙を持っているという考え方です。私には私の宇宙があり、あなたにはあなたの宇宙があります。
それぞれの宇宙の中には、次元の階層が存在しています。これは単に人によって考え方が違うという意味ではありません。宇宙そのものに階層があるという捉え方です。
物理空間は宇宙同士の接触点
一人一宇宙の理論では、物理空間を、それぞれの宇宙が接触する点として捉えます。
二つの宇宙は重なっているのではありません。互いの境界が接し、その接触点が物理空間になります。
相手の宇宙の情報は、この接触点から自分の宇宙へと入ってきます。そして、入ってきた瞬間から、自分の解釈によって世界が構成されるのです。
例えば、相手の「大丈夫です」という言葉を聞いて安心する人もいれば、表情から何かを我慢しているのではないかと感じる人もいます。
私たちは純粋な物理を知らずに生きている
目の前の机を見ているときも、私たちは色や形を知覚しています。触れれば硬さを感じます。しかし、そうした体験には必ず感覚器官と知覚の働きが関係しています。
私たちは、知覚をまったく介さずに物理そのものを直接体験することはできません。
氣幸の一人一宇宙では、さらに、接触点から入った情報が自分の宇宙で解釈され、世界として構成されると考えます。
一人の宇宙には次元の階層がある
抽象度とは、物事をどのような階層で捉えるかを考える際に使う概念です。例えば、リンゴを果物という広い概念で捉えることができます。
ただし、氣幸における次元の階層は、単なる言葉の分類ではありません。一人の宇宙の中に存在する階層のことです。抽象度が変わることで、次元の階層が変わると考えます。
場の移動とは、次元の階層を移動すること
「場を変える」と聞くと、引っ越しや転職を想像するかもしれません。しかし、氣幸でいう場の移動は物理的な場所を変えることではありません。
場の移動とは、自分の宇宙の中にある次元の階層を移動することです。
ここを、気分が変わったとか、見方が変わったという説明だけで終わらせると、本来の意味が伝わりません。氣幸の理論では、次元の階層が変わることによって、実際に世界が変わると捉えます。
情報空間の書き換えとは何か
情報空間の書き換えは、単に思い込みを変えたり、前向きに考えたりすることではありません。
一人ひとりが宇宙を持ち、その中に次元の階層が存在する。そして、その階層を移動する。この場の移動こそが、私が氣幸で伝えている情報空間の書き換えです。

ゴール設定と場の移動
今とは違う未来をゴールに設定するとき、現状の延長線上だけで考えていては、見えてくる選択肢が限られることがあります。
私は、現状側のホメオスタシスを弱め、ゴール側のホメオスタシスを強めるという考え方を講義で伝えています。これは生理学上のホメオスタシスの直接的な操作が実証されているという主張ではなく、ゴール達成に応用した概念です。
詳しくは引き寄せを頑張っても現実が変わらない理由。ゴール達成を妨げるホメオスタシスとは?でも説明しています。
世界を変えるとは、どういうことなのか
私たちは、目の前にある世界を当然のものとして受け入れています。しかし、一人一宇宙の考え方に立つと、その前提が変わります。
一人ひとりが宇宙を持ち、その宇宙の中には次元の階層がある。物理空間は宇宙同士の接触点であり、そこから入る情報を自分の宇宙で解釈している。
情報空間の書き換えとは、自分の宇宙の中で次元の階層を移動すること。私は、この一人一宇宙の考え方が、氣幸を理解する土台になると考えています。
参考文献
Clark, A. (2013). Whatever next? Predictive brains, situated agents, and the future of cognitive science. Behavioral and Brain Sciences, 36(3), 181–204. DOI
Simons, D. J., & Chabris, C. F. (1999). Gorillas in our midst: Sustained inattentional blindness for dynamic events. Perception, 28(9), 1059–1074. DOI
これらは知覚・認識の参考文献であり、一人一宇宙や場の移動を実証する文献ではありません。
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